ネバーランドと天才と――――― ～３～【約束のネバーランド】 (ページ20)

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Aside

ノーマンは言った。

『何もかも選び取れるほど世界は甘くないんだよ』

分かってた、筈なのに。
全滅を考えるってことは、ノーマン自身(自分自身)を殺すのと同じこと。
ノーマンは、どんな気持ちでこんなこと言ったんだろう。
ノーマンこそ、一人でたくさん背負ってる。
エマやレイ、私なんかよりも、たくさん。

お願いだから、自分の気持ち、ちゃんと考えてよ、
って、言いたいのに。
言えたらよかったのに。

言えないんだ。

ノーマンは、私の、私たちのために、頑張ってるから。
自分の気持ちを押し殺してまで。

助けたい。
でも、ノーマンの苦労を、思いを、無駄にしたくない。

私は、どうしたらいい？
私に、ノーマンを助けることは、出来る？

いや、出来るか出来ないかなんて、悩んでなんていられない。
やらなきゃ。
手遅れになる前に。
私がまだ、動けるうちに。

もう彼が、後悔しないように。