愛を問う(R.Abe) (ページ9)

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阿部「あ。やっと気づいた。」

なんだ？と思って見ていると、

阿部「ね、いつもそうなの？」

「…何でしょう。」
何のことかわからず、聞き返す。

阿部「いや、無自覚？結構独り言、言ってたけど。」

「うそ、、なんて…？」

阿部「んー？」
はぐらかすように、ニヤニヤしながら自身のパソコンに視線を落とした。

「変なこと言ってました？」

阿部「ん、いや。ふふっ。表情がコロコロ変わって面白かった。あ、今悩んでるんだろうなーとか。あ、解決したっぽいなーとか。あ、あきらめた、とか。」

「そ、そうですか。」
苦笑いしかできない。

阿部「じゃあ、そろそろ出ますか？
ミーティングしてますアピールも十分だろうし。」

「へ？」今、なんと？

諦めたはずの予定は、どうやら消えていなかったらしい。

阿部「あれ？お疲れ様会。楽しみだったんじゃないの？」

「…？あ。うん？？」

片付け始める阿部さんに釣られて、私も荷物をまとめていて、物音に阻まれて少しよく聞こえなかった。

阿部「いや、何でもない。よし。じゃあ行こうか。」

今度は、先に行くことなく待っていてくれた。
あの最初のそっけなさは何だったんだろう。

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