愛を問う(R.Abe) (ページ48)

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距離感.1 ページ48

あなたside.

平日になれば普通に仕事なわけで。
いつもと違うのは、やけに距離が近いこのひと。

阿部「Aさん！おはよ。」

「おはよう、ございます。」

阿部「今日も頑張ろうね〜」

今までなら「おはようございます。」くらいの挨拶だったのに。

向井「阿部ちゃん！おはよーさん！！」

阿部「こーじ、おはよぉ」

向井「わ。今日は怒らへんねや。機嫌がいい日っと。」

阿部「ん？」

先輩！とかではなく、『阿部ちゃん』と呼んで、今日の機嫌を確認したらしい向井くん。ただ、心の声ダダ漏れでいろいろと聞こえてしまっている。

向井「…やば。気にせんで、なんもないで。」

ちょっとピリッとした阿部さんから逃げるように、私に挨拶してくる。

向井「A先輩！おはようございますー！」

「向井くんおはよう。この前の書類進んだ？あとで見に行くね。」

向井「もうばっちりです！いつでも見に来てください！！」

なんて、ウインクいただきました。

向井「そうだー！この休みで海に行ってきたんですよ！綺麗でしょ！！」

みてみてーとぐいっと携帯を見せてくる。太陽が反射してキラキラしててとっても綺麗な写真。

「わぁ、素敵。」

綺麗な写真に思わず顔が綻ぶ。ひとつの携帯を2人で覗き込んで、気づけば向井くんとの距離が近くなっていた。

向井「お気に入りの場所で、今度よかった『…俺にも見せて』ら、」

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