愛を問う(R.Abe) (ページ41)

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「自分を守るには、自分を犠牲にするしかなくて。自分さえ我慢すれば、いいんだって。いじめから救えなかった同僚の人達のこと思えば、これくらいなんてことない。そう思ってた。助けられなかった分、苦しまなきゃいけないって、思って。」

　なに、それ

阿部「そんなッ、Aさんが責任を感じることなんてないのに、」

「どうやっても結果は同じだった。助けてほしいって手を伸ばしたって、誰にも届かない。この人なら助けてくれるかもって、信じてみても簡単に裏切られる。」

「目に見えてるものは真実じゃなくて、全部裏があって、でも私はそれを感じ取るのが苦手だから、すぐに騙される。自分の意思での行動は、全部間違いってことを思い出した。」

　そんなこと

「…いま自分の意思でここまできたけど、楽しいなとか、まだ一緒にいたいなって思ったこの気持ちとか、全部勘違いで間違いだったんじゃないかなって。思って」

　まちがってない

「この状況の何もかもがこわくなって、何か起こる前に、何も起こらないうちに、帰ろうとしました。」

　どうしたら信じてくれる？

阿部「…話してくれて、ありがとう。辛いことなのに、無理に引き留めて、ごめん。」

　かける言葉なんて、見つからないよ

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