愛を問う(R.Abe) (ページ38)

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あなたside.

　あっという間に、寝室に逆戻り。着替えてと言われても、着てしまったら余計に帰りにくくなってしまう。何か良い手はないかと、携帯で調べようとしたけど、あいにくカバンの中。

どうしよう…こうなったら、全部言うしかないか。でもそれがいいのかもしれない、何も言わないから納得されないのであって、話せばわかってくれるはず。たぶん。

　言われた通り、服を着替える。サイズがどうにも大きくてゆったりめ、窮屈だった気持ちも少し緩んだ気がする。阿部さんは何をしているんだろう、扉の外の気配を探るけど、よくわからない。

ｺﾝｺﾝｺﾝ阿部「着替えた？」

ノックされた音に応えるように、わずかに扉を開ける。

阿部「ん、よし。着替えたね。じゃあ、連行します。」

「ぇ。」
戸惑う私のことなんてそっちのけで、リビングまで連れてこられる。

阿部「はい。座って？」

ソファの真ん中に座らされる。ソファの手前には阿部さんが座り、奥にはさっきはいなかったであろう大きなクマのぬいぐるみ。

　君は、どこから出てきたの…？

もふもふと気持ちいいお腹を触っていると、後ろから声がかかる。

阿部「はい、これ。」

そう言って、目の前に出てきたものを掴むと毛布だった。なんだ？と思っていると、冷えるといけないからね、とぐるぐる巻きにされる。

阿部「ん。これでよし。」

「あの、、？」

何を考えているのか、、何がよしなのか、

阿部「こうでもしないと逃げ出すでしょ？」

…やめてください。
今そのあざとい笑顔は狂気でしかありません。

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