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阿部side.
阿部「おまたせ。冷えピタくらいしか見つからなくて。
…って、どうしたの!?」
寝室から冷えピタ持って戻ったら、クッションを抱えて震えているAさんがいた。声をかけると肩がピクリと動いた。
阿部「?大丈夫?」
なんとか顔を上げさせると、真っ青な顔していた。
「…ッ。……あざが、手の、、」
聞き取れないほどの声で呟きながら、あざを隠すように服の袖を引っ張っている。
阿部「…服伸びちゃう。ごめん。ちょっと失礼します。」
「ぇ。あ。」
着ていたカーディガンを脱いで、無理やり着させる。
服着せるのに近づいたら、体硬直してた。ちょっと強引だったかな?でも。ごめんね。服伸びてるし、引っ張ったせいで着崩れしてて、いろいろ危うかった…ささっと着せたカーディガンの袖を腕まくりして、冷えピタをペンッとはって、袖を元に戻してあげて、とりあえずの応急処置完了。
阿部「ん。とりあえずこれで様子見しよ。きっとすぐ消える、大丈夫。」
「…ぅ、」
カーディガンの袖をきゅっと握って、俯いている。
阿部「…怖い?」
極力優しく声をかける。
「……なんて、言った、らいいのか。」
阿部「うん?」
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作者名:紫 | 作成日時:2023年8月4日 2時