愛を問う(R.Abe) (ページ28)

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あなたside.

「も、もしもし…？」

友『阿部さん、良い人だね。』

「何、話したの…？」

友『んー？Aをよろしくって言っただけ。過去のこととか別に何も言ってないよ。安心して。』

「ん。」

友『知らない人に腕掴まれたり、自分で決断したけど、いざ2人きりの状況で、いろいろ思い出して怖くなっちゃった？』

「…うん。そう。」

友『大丈夫？帰る？私から言おうか？』

「ううん。まだいる。」

友『一緒にいたいって思ったんだもんね。』

「ぅ、ん。」

友『自分に正直にね。阿部さんなら大丈夫だと私も思う。けど、不安になったらいつでも連絡しておいで。楽しんでね。』

「ん。」

友『じゃあ、切るね？』

「、うん。」

友『じゃあ、はい。いつもの。ゆっくり深呼吸〜』

「ん。……すうぅ、はぁあ。」

友『よし！Aなら大丈夫！いってらっしゃい！』

「…ありがと。」

通話が終了し、テーブルにスマホを置く。

『大丈夫！いってらっしゃい！』

この言葉が胸に残る。私が一歩踏み出そうとする時、いつもこの言葉をかけてくれた。

落ち着け。今は今で。昔とは違う。

阿部「素敵な友達だね。」

「…はい。大切な友達で。」

精一杯の明るさで応える。

阿部「さっきの電話で、Aさんのこと、すごく大切に思ってることが伝わった。」

「、すいません。変な事言われませんでした？」

阿部「んー、特には。てか、腕掴まれたって。大丈夫？」

「え。なんで…？」

内緒にしてたのに。