愛を問う(R.Abe) (ページ27)

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友『A、阿部さんのこと、良い人。優しい人。って言ってました。私はそれを信じます。もしかしたら、すっごい遠回りをしてしまうかもしれないし、たくさん待たせてしまうかもしれない。でも、どうか、Aのこと、信じて離れずにいてあげて下さい。ほんとに少しかもしれないけど、頑張って踏み出した一歩なんです。

それができないなら、中途半端な気持ちなら。手を引いて下さい。お願いします。』

　真剣な声に、どれだけこの友達さんがAさんのことを思っているのかが伝わる。それだけの覚悟が俺にあるのか、そう言われてもただ浮かれていた恋心には、まだその発想はなかった。

何も返事をできずにいると、

友『厳しいことを言って、すいません。でもやっとここまで立ち直ったんです。逆戻りしてほしくなくて。これ以上壊れていくのを見たくない。守りたいんです。』

阿部「気持ちは伝わりました。ありがとうございます。
…ただ、まだお互いのこと何も知れてなくて。だから覚悟とかそこまでのことは、まだ何も思えていなかったのが正直なところで。でも彼女を守りたいと思う気持ちは、きっと僕もあなたと同じです。心配をおかけするかも知れませんが、その気持ちを無駄にすることないよう、向き合いたいと思います。」

友『ありがとうございます。面倒臭い友人で、申し訳ありません。でもそれだけ、大切なんです。Aのことよろしくお願いします。傷つけることがあれば、すぐにでも飛んでいくので、そのつもりで。』

阿部「…わかりました。」

これだけ真剣に思ってもらえる友達がいて、Aさんは幸せだなと思う。

友『…いつかAから彼氏です。と紹介されるのを楽しみにしています。」

阿部「ふふっ。わかりました。実現できるよう頑張ります。」

友『では、お二人の時間お邪魔しました。』

阿部「はい、それでは。あ。Aさんに代わりますか？」

友「そうですね、お願いします。」

電話を終えリビングに戻ると、不安そうな顔で見てくる。

阿部「はい、Aさんに代わりたいって。」

電話を差し出すと、恐る恐る電話に出る。

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