愛を問う(R.Abe) (ページ25)

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恐る恐る通話を押すと同時に聞こえた、大音量の声。

友『Aッッ！！！？！？』

「ぅわっ！」ｶﾞｼｬﾝ‼︎

かなりの大音量を耳元で聞いて、びっくりしたのかスマホを取り落としたAさん。

阿部「わあっ！ん…？」

俺の方まで飛んできたスマホを拾うと、テレビ電話になってて、電話の相手と目が合った。

友『…あなた、誰ですか。そこお店じゃないですよね？どこにいるんですか。Aのこと傷つけるなら、許さないから。はやくAのこと返して。』

「わっ、ごめんなさい！ちょっと借ります。…待って、ね。勘違い。ね、聞いて？ちょっと色々あって、」

俺からスマホを奪い取ってその場に正座して、画面越しに友達？に一生懸命弁明してる。それはもう土下座しそうな勢い。

『…そのちょっと色々は、絶対ちょっとなわけないよね？なんで返事しないの。』

…束縛強めな彼氏、かな？
いや、まあ相手女性なんだけども。

「えっと、LINE返事しようとしたら、知らない男の人に捕まりまして、それで返事するの忘れてました。」

友『はい？？』

阿部「いや、説明端折りすぎ…」
説明端折りすぎて、友達さんキレ気味じゃないか。

「個室でご飯食べてて、間違えて入ってきた男性に一緒に店抜けようって腕掴まれてたんだけど、なんとか抜け出せて、阿部さんとそのお友達の店長さんに助けてもらいました。そのバタバタで返事できなかった。」

友『、、言葉足らずすぎるでしょう…まったく。怪我してない？大丈夫なの？』

「うん、でも、その。…ちょっと、、」

友『……。理解した。』

言葉を濁したAさんの表情を見てなのか、何かを察知した友達さん。俺にはよくわからなかったけど、2人にしかない信頼関係が見えた気がした。

友『で。今一緒にいるのは？阿部さん、であってる？』

「うん、あってる。」

友『店じゃないよね？自分の家？』

首を振って否定してる。

「自分の意思で、来た。」

友『……』

急に静かになった友達さん。
なんだと思って見ていると、

友『ごめん、阿部さんに電話代わってくれる？』

そういって落ち着いた友達さんから、俺に指名が入った。

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