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阿部side.


身長差のせいか、俺の広い歩幅に必死についてくるAさん。

「…あの!お会計っ。」

阿部「ん?いーよ。」

「いや。よくないです。」

阿部「んー。じゃあさ。」



困惑した顔で首を傾げ頭の上にハテナを浮かべる彼女。

阿部「この後の時間、俺にくれる?」

「ぇ、、」
無表情で固まるAさん

阿部「まだ一緒にいたくて。だめ、かな…?」

「えと。その…」

阿部「この時間だし、場所は俺の家になっちゃうんだけど。別に、何かしようとかなんて、思ってなくて。説得力ないかもだけど。さっきも色々あって、ゆっくりできなかったし。まだ話し足りない。だめ、かな…?」どんどん顔が俯いちゃって、顔を覗き込むように優しく問いかけてみる。


しばらくして、やっと目が合った。


「…えと、その。はい、だいじょぶです。」

阿部「ん。ありがとう。じゃあもう少しこのままね。」

そう言って、繋いだ手をまた強く握りしめて大通りまで連れていき、タクシーを捕まえる。


.

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作者名: | 作成日時:2023年8月4日 2時

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