過去の代償.12 ページ46
あなたside.
人事「本当は、助けてくれてありがとうって感謝しなければいけないけど、あの後起こったことを思ったら、感謝なんてできない。だから、謝らせてほしい。」
「そんな、その。気持ちだけ、で」
自分の意に介さず、声が震える。
人事「あなたが入社して来た時、本当に驚いた。でも、今更なんて言ったらいいのかわからなくて、あなたが何も覚えてなさそうなのをいいことに、私は何も言い出さなかった。…本当に、ごめんなさい。」
「人事さんは、悪くな、いから。謝らな、いで。下さい。」
人事「散々逃げたから。今度こそ、あなたのこと、守りたいって思ってる。」
「…?」なんで、急に?
人事「昼間に会ったあの男の人。
…あの人も前の会社の人なの。」
「ヒッ…」思わず息を呑んだ。
だから、また始まる。って
せっかく穏やかに
過ごせるように
なって来たのに
あの人がどこの誰かなんて、全く覚えていないけれど、人事さんがそう言うなら、そうなのだろう。
人事「たぶん会社もバレてるし、…もしかしたら、、そう思ったら、、怖くなって。心配かけてごめんなさい。私よりもAさんの方が、怖いに決まってるのに。こんなこと、『"そんなッ…!"』言って」
自分でも驚くほど、大きな声が出た。
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作者名:紫 | 作成日時:2023年12月30日 11時