過去の代償.10 ページ44
阿部side.
ふっかの元へAさんと行くと、具合の悪そうな女性の様子を見ていた。
俺の横にいたAさんは、進んで女性の元へ行き、具合はどうだと聞いている。
阿部「ふっか」
深澤「あべちゃん、おつかれ。」
阿部「おつかれ。なんかあった?」
深澤「ん… ちょっとね。」
そう言って少し2人から離れる。2人には聞こえないよう、先ほど起こったこと、どうしてこんな状況なのか、全て話してくれた。
深澤「Aちゃん。強いね。今だってきっと自分と重ねて寄り添ってるんじゃない?優しさの塊よ、ほんと。あべちゃんが好きになるのもわかる。」
阿部「…自分の気持ちを隠すのが得意な人だから」
そう言って、2人の元へ戻ってきた。
深澤「Aちゃんさ。前いた会社、◯◯だよね。」
「はい。」
戻って来た流れで、俺は、Aさんの横にしゃがみ込み、空いてる片方の手を握る。
阿部「俺、優しいAさんのこと。だいすき。」
不器用なところ
自分のことに鈍感なところ
他人を優先しがちなところ
ぜーんぶまるっとあわせて
だいすきだからね。
深澤「…人事さん。言える?俺から言おうか?」
「…言、います。」
深澤「ん。ゆっくりでいいから。俺らがついてる。大丈夫。」
ひとり困惑したままのAさん。ここから始まる話にどうなるのか。若干身構えつつ人事さんの、言葉を待った。
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作者名:紫 | 作成日時:2023年12月30日 11時