過去の代償.5 ページ39
あなたside.
しばらく資料に目を通していると、ふと横に誰かの気配。
深澤「おつかれー。どんな感じ？」
人事「え。深澤さん？！お疲れ様ですっ、まさか深澤さんがヘルプに来てくださったんですか…？」
深澤「そりゃーね、あんな切羽詰まった泣きそうな声で助け呼ばれたら、誰だって駆けつけるよ。」
誰かと思えば、人事部の教育課の深澤さん。入社時にお世話になって以来だ。にひひと悪戯っ子のように笑い、人事さんと話している。
なんだか…おふたり。仲良さげ…？もしや…、なんて勝手に想像しながら話を聞いていると、こちらにも話しかけに来てくれた。
深澤「Aさん。だよね？深澤です。よろしくね。」
久しぶりにお会いしたけど、相変わらず気さくな方。ふわっとしてるけど、でもやる時はビシッと決める、仕事のできる方。今では若いのに教育課の主任を任されているそう。入社時に皆必ずお世話になるから、そりゃあもう新しく入ってきた女性社員たちは、たちまち惚れていくわけで。その姿を見るたび春だなーと思う。
どの部署に配属が決まったとしても、最初に教わることは皆『深澤からの内線には気をつけろ』だったりするから、何があったのか、いつか詳しく聞いてみたいところ…
「はい、Aです。よろしくお願いします。」
笑顔で挨拶を返すが、しばらくこちらを見たまま、固まってしまった深澤さん。なんだ？と見上げれば、
深澤「あー、、…こりゃ阿部ちゃんが過保護になるのも、しょーがないわ。」
「…？？」なぜ阿部さん？
言われた意味がわからず、首を傾げる。
深澤「んーん。なんでもない。何かあれば助かるから、よろしくね。」
ちょっとお手洗い行ってくるー、と一旦その場を離れていった。
.
.
深澤「［阿部ちゃんへ］っと。
［Aさんの笑顔やばいね‼️］
［笑ってる姿初めて見たけど、］
［破壊力すごいわ。わら］、よし、」
『ﾋﾟｺﾝ♫』
深澤「返信はやッ
えーっと？？
［見るな］
［俺のだからね］
って。わーお。愛されてんねー
.
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作者名：紫 | 作成日時：2023年12月30日 11時
