過去の代償.3 ページ37
阿部side.
人事部で連絡が取れるのはただ1人、仲良くしている ふっか だけ。ふっかを頼りに担当者に繋いでもらおう。
〜🎵
阿部「お疲れ様です。阿部です。ごめんふっか。今大丈夫？」
深澤「はいはい、もしもし？阿部ちゃんから電話なんて珍しーね。どしたの？」
阿部「今日ってさ、人事部の採用課の方で会社説明会があると思うんだけど。そのことでちょっと。」
深澤「よく知ってるね。なんだか盛況で、人手が足りないって連絡きててさ。人事部で手が空いてるの俺しかいないから、今からヘルプに行くところだけど。なんかあった？」
阿部「え。ふっかも行くの？」
深澤「そ。今向かってるところ。」
阿部「…あのさ。Aさんのことなんだけど。」
深澤「Aさん？あ、あの例の阿部ちゃんの彼女さん？」
阿部「まぁ、、うん。そう。今日そこにAさんが急遽参加予定でさ。」
深澤「あーー、はいはい。そういうことね。いいよ、深澤さんに任せなさい！」
阿部「…まだ、何も言ってないんだけど。」
深澤「あれでしょ？阿部ちゃんのことだから、過保護発動して、いてもたってもいられなくて。でも仕事抜けられないし、、てことで、気にかけてくれないか。何かあれば助けてほしい。てことでしょ？」
阿部「…そうです。」
図星な回答に何も言い返すことができない。
深澤「うんうん、任せなさい！ちなみにAさんはもう会場？」
阿部「いや、午後からのヘルプだから、今さっき会社出たところ。」
深澤「オッケー。俺もちょうど外出たところだから、姿見えたら、追いかけてみるわ。」
阿部「お願いね。」
深澤「ん。なんかあったら、すぐ連絡すっから。じゃーねー、お疲れぃ。」
変に勘がいいのは良いことでもあるんだけど、なんか見透かされているようで、ちょっと悔しい。まあでもふっかがいるなら、安心かも。何も起きませんように。頑張ってきてね。そう祈りながら、仕事へと戻った。
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作者名：紫 | 作成日時：2023年12月30日 11時
