過去の代償.1 ページ35
あなたside.
今日は社外の会場で会社説明会があるらしい。本当なら同期が行く予定だったのが、急遽取引先へ行くことになり、代打としてお手伝いに行くことに。
何をするかといえば、会社の概要説明は人事の方が担当するので、わたしは実際の働く様子等々、参加者からの質問に答える立場である。就活生に向けたもので、対象は新卒から中途まで様々だ。
お手伝いするのは午後の部のみ。午前中に少し仕事を片付け、昼休憩を兼ねての移動をする。
阿部「いってらっしゃい。」
机を片付けていると、昼休憩に入った阿部さんに声をかけられる。声がした方を向けば、ちょっと心配そうな顔がそこに。でも、「行ってきます。」と笑えば、途端にふわっとした笑顔に変わった。
阿部「無理しないで、がんばってね」
「ありがとうございます。」
優しい笑顔に見送られて、会社を後にする。
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向井「…あべちゃん。見過ぎやで。」
阿部「んー?」
向井「んー?やなくて。」
目黒「バレますよ。」
阿部「…」
向井「なあ、聞いてる?、」
目黒「…聞いてないっぽい。」
阿部「…だめだ、やっぱり心配ッ!!!」
向井「ぬぇ??!」
目黒「…!?」
阿部「よし。…うん。それがいい」
向井「あ、ぇ。何に納得したん???」
目黒「せんぱい?」
阿部「ごめん。後にして」
そう言って立ち去る阿部を、2人は呆然と見送った。
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作者名:紫 | 作成日時:2023年12月30日 11時