愛を問う(R.Abe)３ (ページ33)

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SWEET ページ33

あなたside,

今週はバレンタインがあった。以前、彼女がいる宣言をした阿部さんは、いわゆる本命チョコは昨年ほどは多くなく。それでも諦めない女性社員からのを、「その気持ちには答えられないけど、ありがとう。いただきます。」と、いくつか受け取ったみたい。

私と言えば、クリスマス同様、仕事でバタバタしていて、バレンタイン当日には何も渡すことができなかった。

だからこそ、この週末はなんとか特別感を出したくて、いろいろ準備ができる私の家で過ごすことにした。

　もうすぐ阿部さんが来る時間。
　料理もプレゼントも、オッケー。

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ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ

阿部「ただいま〜。」

「おかえりなさい。」

鍵の音がした瞬間、玄関までで迎えに行く。
お試しをするにあたって、一緒に住んでいる感を出そうと、インターホンは鳴らさず、「ただいま」「おかえり」と言うよう決めた。

…決めたのはいいのだけど、全然慣れなくて、ぎこちない変な照れ笑いしかできない。そんな私の様子にふわっと笑いながら、「ちゅっ」とただいまのキスをされるのもまた、全然慣れない。

阿部「なんか美味しそうな匂いがする〜！」

不意打ちのキスに毎回初めてのように驚くのが面白いらしく、イタズラな笑みを浮かべた阿部さんは、部屋の扉から漏れる美味しそうな匂いにつられて、部屋へと進んでいった。

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