HAPPY ページ32
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「一緒に暮らしませんか?」そう伝えたあの日。
一回自宅に帰ったあと、Aさんの家に忘れ物をしたことに気がついて、再び向かった。あと少しというところで、Aさんの家から帰る途中の親友さんに出会った。
親友「A、やっぱり迷惑かけたくないって思ってたみたいです。ほんとは阿部さんに、近くにいて笑っててほしい。笑顔で、手繋いで、ぎゅってしててほしい。少しは元気になる気がするから。って言ってました。
阿部さんのことが大好きで大切で。出張で物理的な距離があるのも、なんだかすれ違ってしまって、心の距離があることにも、寂しそうでした。でも、遠慮して言えなくて、、の負のループ?みたいな。
早く行ってあげてください。」
そう言われて部屋の前まで急いできたものの、やっぱり扉を開けるのには勇気が必要だった。
ちゃんとお互い伝えたいことを伝えあって、俺は「一緒に暮らしませんか。」と伝えた。
まだ返事はないけれど、前向きには考えてくれているっぽくて。「お試しをしたい。」との彼女からの提案で、週末にどちらかの家で過ごすようになった。
結婚生活のお試しの同棲。
ではなくて、
同棲のお試しのお泊まり。
毎週末が楽しみで。それが態度にも出ていたらしく、「週末が近づくにつれて機嫌が良くなっとる!なんでや!」とつい先日向井に指摘され、なんとかはぐらかしたのは、先週のこと。
まだね。まだお試しだから。
あー、はやく週末来ないかな。
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作者名:紫 | 作成日時:2023年12月30日 11時