見守り隊(別部隊).6.5 【3/7追加】 ページ25
親友side...
数年前Aがひとりで耐えていた時、同じように励まし、声をかけ続けて、なんとか元気を取り戻して落ち着いたように思えた。
あと少し もう少し
笑顔が少なくなった彼女と
また一緒に笑い合いたい
そんな一心だった。
ある日、いろんな予定が押して、遅くなってしまって、結局お泊まりさせてもらうことになった。
布団を貸してもらって私はリビングに、Aは寝室で寝ることにした。寝入ってからしばらくして、微かな物音で目が覚めた。なんだろうと思って起き上がると、私が寝ていたすぐ横に、光をなくした目をしたAがいた。無表情で手にした何かを見つめて立つ姿に、驚いて声をかけた。
友人「ぇ、ぁ…、A…?」
カシャン
急にかかった声に驚いたのか、こちらを振り向き手にしていた何かが床に落ちる。のと同時にAも倒れてきた。
.
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パチッ
友人「ゆ、、夢…」
急に目を覚まして、慌ててAの様子を確認すれば、特に何もなく。穏やかな寝顔があった。
わたしが、疲れてどうすんのよ。
しっかりしろ。わたし。
カッターを手にして無表情で見下ろす姿は、たとえ親友であっても恐怖でしかない。わたしが声をかけなければ、何が起こっていたのだろう。その日からほぼ泊まり込みでAのそばにいるようにしたら、そんな状況はもう数えきれないほどあった。何も起きていないのが奇跡なほど。でも本人はまるで覚えていない。
そんな状況を打破するための策が、一緒に寝ることだった。うなされても、泣いていても、苦しんでいても、無意識に起きたとしても、すぐに気がついて落ち着かせることができるから。
でも今はもうそんなことはない。穏やかな寝顔に安心して、再び眠ることにする。
友「おやすみ」
彼女の手を握り、再び目を閉じた。
薄れる意識の中、きゅっと握り返された気がした。
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作者名:紫 | 作成日時:2023年12月30日 11時