何もない部屋 ページ20
Aside
私は両親がいたけれど、C3に殺された。
そこから私は生まれた。
感情は取り繕うように笑った。
誰にも、気づかれないように。
吊戯という狂犬がいた。
その男は酷く可哀想な男だったけれど、私は彼がここを離れない理由を知っていた気がする。
最初は誰しも何もない部屋にいる。
生きていくことで知っていき感情を知り、物を知る。
そうすることで私たちは何もない部屋から何かがある部屋に変えることが出来る。
狂犬は私に許さないで。と言った。
私は彼を許さないようで許した。
私は私を酷く憎んだ。
そして、C3を憎んだ。
戦う奴等にはみんな、何かしらの理由があった。
一人になりたくないから
誰かを助けたいから
その誰かになりたいから。
たくさん色んな理由があった。
私にはない。
「戦う理由なんて、ないよ。そうでしょう?A」
『....うん。そうっスね。私には、ない』
でも、もし。
吸血鬼と共存出来たなら?
私が誰かの憧れになれたら?
『「むりだよ」』
分かってるよ、そんなこと。
みんなには何にかがある部屋にいるけれど、私には何もない部屋にいる。
「ねぇ、君も何もないの?」
私に話しかけてくる男の子は、彼に似ていた。
『.....どっかに落としちゃったみたい。ほら、穴が空いている』
「俺も、空いているんだ。ねぇ、俺たち、もし出会い方が違ってたら....友達に、なれたかな....」
男の子はそう曖昧な顔で、でも寂しそうな顔で笑った。
『一緒だよ。同級生でも、仕事仲間でも。友達に、なれるよ』
「君は、何もないんだね」
『全部、置いてきたんだよ。私には、とても必要ないから』
私は仲間も、家族も、なにもないはずなのに。
もしかしたら、明日はあるかもしれない。
そう思っちゃうのは何故かな。
『私は許してたんだよ』
「許さなくていいのに」
『私には戦う理由がないから、これから探してみるよ』
何かあるかもしれない。
それは、どこだろう。
「C3は、もう嫌だ...?」
『君がいるなら、帰ってこようかな』
ほら、やっぱり狂犬だった。
『でも私はあそこで復讐するんだよ?』
「C3じゃないんでしょ」
なんだ、分かってたのか。
そう。私の本当の目的はあそこじゃない。
『バレてたか。吸血鬼とは、今まで通り仲良くしていくよ』
「昔、殺されかけたのに?」
『あれっそんなこと、話したっけ?まぁ良いや。今度話すよ』
殺されかけたけれど、昔....約束したんだよ。
じゃあもういいかな。
『「またね」』
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つばさ(プロフ) - それは良かったです! (2017年7月5日 3時) (レス) id: 438b88ff01 (このIDを非表示/違反報告)
天野ピンク(プロフ) - つばささん» つばささん!絵、載せられましたよ! (2017年7月4日 23時) (レス) id: acc5db1e87 (このIDを非表示/違反報告)
天野ピンク(プロフ) - つばささん» そうなんです!!載せられないけど、良かったらまた、書いてください♪ うーん・・・謎、なんですよ。載せられる用になりましたら、載せますから! (2017年7月2日 0時) (レス) id: acc5db1e87 (このIDを非表示/違反報告)
つばさ(プロフ) - ありがとうございます!…載せられない…謎ですねw (2017年7月2日 0時) (レス) id: 438b88ff01 (このIDを非表示/違反報告)
天野ピンク(プロフ) - つばささん» すっごく可愛くて、好きな絵柄でした!すっごく載せたいのですが、URLはあっているのに、載せられません.....なんででしょう? (2017年7月2日 0時) (レス) id: acc5db1e87 (このIDを非表示/違反報告)
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