捕まりたくない、あそこだけは。 ページ3
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暗いくて、暗い。路地の中。
見つからないように、逃げなきゃ。
見つかれば、連れ戻される。ヤダヨ。
もう、あんなに冷たく寂しい部屋にいたくないよ!!!!
「はっは!みぃーつけたっ!ねぇ、そろそろ帰ろうよ?」
「吊戯・・・ヤダヨ!!あんなとこはもう嫌だ!!!」
吊戯「どうしても?」
「どうしても!!」
そう言って、走る。もっと速く走らなきゃ!!
吊戯「つっ・・・捕まえた・・・」
「はっ離して・・・!!」
ジタバタと暴れるがもう、抜け出せることはなくて。
吊戯「ね?帰ろうよ。」
帰る・・・?あそこは、家じゃないよ?
「吊戯、どこに?帰る場所なんて、ないよ。」
ニコッと笑って、そっと唱える
「ここはどこ?白い、白い空間で。何も問わず、問われず。ただただ、何もしないまま!!」
何も問わず、問われずのまま!!
吊戯「え・・・?あっ・・・」
何も考えられなくなった吊戯。
よろっとよろめいて私は脱け出し成功。
そして、吊戯をおいて、逃げる。
しばらくして、雨が降ってきた。
私は傘もささず走っていた。
が。もう、限界みたいだ。これ以上は走れない。
止まろうとした時、雨で滑って
「うわぁ!」
盛大に頭をぶつけた。
ぼんやりと薄く目を開けると、男が私に手を差し伸べていた。
ああ、いつぶりだろう?
手を差し伸べてくれるのは・・・・・
大雨の中、意識を手放した。
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