二口君のホント (ページ23)

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◇ ページ23

『そういえば、二口君はいつわたしを好きになったの？』

帰り道、ずっと気になっていた事を聞いた

１年の時って返って来ると思っていた

その時は、何月頃だったのか、とかいろいろ聞くつもり

どっちが先に好きになったのか気になる

あー、とかうー、とか意味を持たない言葉を漏らしながら、頬をかく二口君

『１年の時じゃないの？』

「………それは違う」

え？

じゃあ、いつ？

分からず、首を傾げていると

「中３の時」

短くそう返って来た

中３？

『わたしと中学違うよね？』

頷く二口君

「………中学で、最後の試合。

負けて落ち込んでる俺に、Aが、ありがとうってお礼言ってきた」

『え………』

そんな事言ったっけ………？

中学のバレーの試合を観に行ったのは覚えている

でも、その件については全く覚えていない

「お礼を言われる理由が分からなくて、聞いた。

そしたら、スゴく感動したって。

諦めない姿に感動したって、笑ったんだ。

そん時からずっと好き」

あまりにも愛しそうに言うから、聞いてるこっちは照れてしまう

「今、そのAが、目の前にいて、本当に幸せだ。

ありがとな」

『こちらこそ、ありがとう』

・

・

・

・

最初はどっちが本性なのか分からなかったし、わたし以外の女の子をかばった理由も分からない

でも、少しだけ

ほんの少しだけ、二口君の"ホント"が分かった気がする

これから、もっと知っていくんだろう

そんな未来がスゴく、楽しみ