二口君のホント (ページ3)

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◇ ページ3

『こんにちは………………』

告白してすぐ、男子バスケットボール部が使っている体育館に入った

キュ、キュと床をシューズが擦る音は、今でも少し苦手

まだ練習は始まってないのに、自主練をしているようだ

『彩斗』

名前を呼ぶと、ソイツは振り返る

なかなかの好青年なのに、彼女がいないらしい

なんでも部活に集中したいだとか

１年ながらスタメンで向かう所敵無し、の彩斗は金髪だけど真面目

「A。

フラれたか？」

『ウキウキしながら言わないでくれる？

一応、オッケーだった。一応ね』

「一応ってなんだよ」

さすがに片手でボールをつくのを止めて、真剣な顔で聞いてくる

『………………女よけとして、付き合ってやるって言われた。

性格、最悪だった』

「うわっ、マジか………」

苦虫を潰したような顔で言う

『なんか、ショック通り越して、呆れてる』

「誰に………？」

『自分に。

………………着替えて来るね』

更衣室に行く途中、何人もの先輩方に大丈夫か、と心配された

その度に笑顔で大丈夫です、答える

ぎこちないけど、まぁ、大丈夫でしょ

男子バスケットボール部(男バス)は２年が10人、１年が９人

マネージャーは私だけ

彩斗は元々バスケ初心者だったけど、この１年でみるみる上達した

そして、彩斗がスタメンでなんかの大会で優勝したのだけど、どんな大会かは分からない

でも、この大会では初優勝だって、先輩が騒いでたからすごい事なのかも

ジャージに着替え、そのまま水道へ

水はまだまだ冷たく感じる

でも、マネージャーの仕事をサボるわけにはいかない

寒さに耐え、ドリンクを作る

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二口君は今頃何してるかな