二口君のホント

◇ ページ15

その翌日、わたしは学校を休んだ





行く気になれなかったのもあるけど、１番の理由は




『38.9………………。


ぅ〜、風邪ひいた………』



なぜか熱が出たのだ






ベッドの中で、ひとつため息をつく





そりゃ、行きたくはなかった



だからといって、逃げっぱなしでいられるわけもない





………………でも、今日くらいはいいか、な







わたしは目を閉じた



そのまま吸い込まれるように深い眠りに落ちてしまった





※





『ん………』



目を開けると、明るい光が入ってくる






何時………？




時計を見ると、午後５時だった



遠くでチャイムが鳴っている





寝過ぎだよさすがに





近くにあったスマホに手を伸ばす



いくつか通知が入っていた





ひとつずつ内容を確認して、返信を打つ





どれも体を心配した内容だった





素直に嬉しい






『あ………彩斗からも来てる………』




彩斗風邪、大丈夫か?


彩斗昨日はいろいろと悪かった。ごめん。焦ってたんだ、俺。


彩斗Aを傷つける気は本当になかったんだ。



彩斗今日はゆっくりしろよ。






やっぱり彩斗って優し過ぎ





わたしはありがとう、と返した






『………もう１件来てる』



一体誰から………？






メールをくれそうな人からは全員来ていた




だから、検討もつかない




通知の内容は


堅治お大事にな。


堅治早く来いよ。


堅治待ってる。






堅治って………二口君から………………？




なんで知ってるの………………？





Aありがとう。でもなんでわたしの連絡先知ってるの?




すぐに既読がついて、返信が来た



堅治川北に教えてもらった。



え、彩斗、なに勝手に人の個人情報流出させてんの？




ちょっとだけ、ムッとした




でも、彩斗の気遣いかもしれない





なかなか二口君に連絡先を聞けなかったわたしに





それだったら、本当にありがたい





A明日、話したい事があるの。




堅治俺もある。


堅治川北も呼ぶから。



A彩斗にはわたしから伝えておく。



わたしは彩斗とのトーク画面を開いて、内容を打った




少ししてから、了解、と返事が来た







明日までに万全の状態にしなきゃ

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