057話 ページ8
『笑えるわけないよ。後戻りできないから進むしかない……あんなつらそうな顔で言われたら、笑えないよ』
茅野「そうだよ、私は笑わないし、諏訪さんの生き方も否定しない」
柊「諏訪」
諏訪「なんだよ!」
柊「お前は間違ってない。みんな、お前と一緒だよ。迷って、もがいて、途方に暮れて、それでも正解を求めて、進んで進んで、ダメなら傷つきながら引き返す。
で、また歯を食いしばって前を向く。みんなみっともないんだよ!…でも、それでいい。
それがいい!!恥を繰り返して、強くなるんだよ。
ていうか、恥もかかずに強くなれると思うな!!
だから諏訪、おまえのこれまでは、誰が何と言おうと!間違ってない!!」
先生の言葉に諏訪さんは涙を流した。
きっと、否定されると思っていた生き方を肯定されたから。
私もそうだった。姉の死から目を背けていた時間を後悔して、自分を責めた。
あの時、行動していれば澪奈は死ななかったんじゃないかって。
でも、違った。先生は間違ってないと言ってくれた。
澪奈の死と向き合ったときに、同時に姉の死とも向き合った。
それに間違いはないと。言ってくれた。
そして、先生に向き合った諏訪さんはポケットから取り出したネックレスを床にたたきつけた。
中から出てきたのはSDカード。
諏訪「喜志からは何も聞かされてないけど、気になって開けたらこれが入ってて……たぶん、重要な何かだと思う」
先生はそれを拾って諏訪さんの前に見せる。
柊「お前の思い、受け取ったからな」
名前を呼ばれた逢沢君がノートPCを持ってきた。
そこにSDカードをさすとフェイク動画の顧客リストが入っていた。
この中に澪奈を陥れようとした犯人がいる。
私は先生の横に立つ諏訪さんをそっと撫でた。
『ありがとう。諏訪さん』
諏訪「……唯月でいい。A」
『なにそれ、嬉しいなぁ』
そんな会話をしていると皆の目が画面に集中する。
そこには……
“hunter”そして、“魁皇高校教師”の文字が表示されていた。
スクロールしているときに見えた。
“藤枝
“hunter”そして、“魁皇高校教師”と記載してあった。
『やっぱり同一人物か……』
茅野「A……」
『大丈夫だよ、さくら』
柊「これで少しは、気持ちが変わってくれたかな」
皆に画面を見せ、準備室の前に立った先生。
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唯颯(プロフ) - ハナさん» 大丈夫です (2021年1月13日 4時) (レス) id: f647fc3f6b (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 質問大丈夫ですか? (2021年1月10日 21時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
唯颯(プロフ) - スライムさん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年1月28日 23時) (レス) id: a45fde35bc (このIDを非表示/違反報告)
スライム(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください (2020年1月28日 23時) (レス) id: 028b55ef6b (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - 楽しみです!!!\(//∇//)\ (2020年1月28日 22時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唯颯 | 作成日時:2020年1月20日 23時