【3年A組】Espoir 2 - 卒業 - (ページ45)

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094話ページ45

＊茅野Side＊

柊「郡司警部補…」

『さくら、あとよろしく！』

ハッチを降り、下へ行ってしまった先生とA。

“なんで付いてくる”という先生を押し切り、なんだかんだ2人で行ってしまった。

茅野「任されてしまった……つか、先生とA、エモい」

先生に言われた通りモニターを見ながら浸っていると

準備室の扉があいた。

そこに居たのはクラスの皆だった。

宇佐美「えっ、さくら？なんであんたがいんの？」

茅野「えっと……」

諏訪「ねぇ、それよりぶっきーは？」

私がモニターを指さすと、みんながモニターの周りに集まる。

そこには昇降口から入ってくる郡司警部補が映っていた。

柊≪大胆ですねぇ…爆弾で命を落とすかもしれないのに≫

郡司≪藤枝A……柊、お前は俺を殺さない。五十嵐理事官が現場をはずされた今、人質を殺す意思のないお前は袋のねずみだ。だから警察と交渉できる本当の人質が欲しい…だろ？≫

藤枝≪ほら、郡司さんは頭いいっていったでしょ……で、刑事さんが人質になりにきてくれたってわけかな≫

郡司≪藤枝A……ふふ、残念ながら俺は確かめに来ただけだ。お前たちが何をしようとしているのか。
五十嵐さんは骨の髄まで刑事だった。そんな人がなぜ、犯罪の片棒を担いだのか≫

諏訪「Aまで何してんのよ……」

Aの体調を考えた諏訪さんはため息を吐いた。

私は別モニターで警察が来たことを先生に知らせた。

たぶん、Aにも声は届いているはず。

茅野「もうすぐ校舎に到着します！」

柊≪どうやら、離している時間はなさそうです。SITが来るんで、大人しくしてもらいましょうか≫

郡司≪お前に拳銃が撃てるのか？≫

先生が郡司さんと拳銃を突きつけ合ってる中、

Aはというと……

≪あっ、忘れてきた……取りに言っちゃおうかな≫

なんてことを呟いて先生に頭をポンと軽くたたかれていた。

先生は近づいてくる郡司さんの足を即座に撃つ。

そんなところを撃たれると思っていなかった郡司さんは痛みによろけた。

郡司≪お前は俺を殺さない≫

そう言って目の前で拳銃を突きつけ合っていた先生を

郡司さんが一発殴った

藤枝≪一颯！≫

柊≪A、まだ動くなよ≫

郡司≪他人の心配してるばあいか？本職をナメんじゃねぇぞ……お前の狙いは何だ。答えろ！！≫

柊≪あなたならきっと分かるはずだ。悪意にまみれたナイフで弱者を傷つけられたあなたなら！≫

みんなが、モニターを見守る。