093話 ページ44
『なんか嬉しそうだね』
柊「そりゃそうだよ」
逢沢≪やっぱり防犯カメラはないって≫
西崎≪じゃあ、これは先生が作ったフェイク動画…≫
柳本≪なんでこんなもん作ったんだろ?≫
熊沢≪武智への復讐……澪奈が自 殺した原因はフェイク動画だったでしょ?
ぶっきーは、その犯人が武智だって分かってた。
だから同じ手を使って武智を追い込んだ。
それだけじゃない!フェイク動画を依頼した証拠がなかったから、武智に自白させるためにこの動画を作った≫
"だとしたら完璧な復讐だ"と誰かがつぶやく。
でも、西崎君は納得してない様子だった。
西崎≪この動画が先生の復讐だとしたら武智はどうなる。やってもない殺人の罪を着せられることになるんだぞ。立件されなかったとしても、ネットでは殺人犯のレッテルを貼られ続ける≫
“沈静化するなら公表すべきだ”そう言って教卓にPCを持っていく西崎君。
みんなが止める中、澪奈の時のように何もしないで後悔したくないという西崎君。
きっと、堀部さんは澪奈のフェイク動画も解析していたんだろう。
ネットに動画をアップしようと操作する中……
Enterキーを押そうとした西崎君に
堀部さんが体当たりして止めた。
西崎≪なにすんだよ≫
堀部≪グッ、クルッ、パッ!グッと踏みとどまって、クルっと頭を一周させる。
私も、私もそう……見て見ぬ振りしたあの時を、そうすごく、すごく悔やんでる。
でも、景山さんの時と今回は違う!
だから、もっと!ちゃんと考えよう!≫
隣で涙を流す先生を私は後ろから抱きしめた。
『ね?逃げる必要ないって、言ったでしょ。
一颯の言葉は、思いは…みんなにしっかり届いてるよ』
柊「そうだな…届いてたんだなぁ
1人1人が目の前にある問題とどう向き合うべきか、想像力を働かせて、いろんな可能性を鑑みる。
自分だったらどうするか、相手が自分だったらどうすべきかを考えて、それぞれの思いをぶつけ合う。
俺の伝えたかったことがちゃんと…」
“届いてるんだなぁ”と抱きしめる私の手を優しくつかみ頭を預ける先生に
さくらがタオルを差し出した。
茅野「このタオルも先生の思いが伝わったから、使えるようになりました」
『私も、一颯の思いが伝わったから、心が動かされたから…後悔することなく、こうして共犯者してるんだよ』
柊「ありがとう」
しみじみしていたところに警告音が鳴り響く。
私と先生はモニターを凝視した。
141人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
唯颯(プロフ) - ハナさん» 大丈夫です (2021年1月13日 4時) (レス) id: f647fc3f6b (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 質問大丈夫ですか? (2021年1月10日 21時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
唯颯(プロフ) - スライムさん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年1月28日 23時) (レス) id: a45fde35bc (このIDを非表示/違反報告)
スライム(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください (2020年1月28日 23時) (レス) id: 028b55ef6b (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - 楽しみです!!!\(//∇//)\ (2020年1月28日 22時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:唯颯 | 作成日時:2020年1月20日 23時