090話 ページ41
ちょうどそのタイミングで五十嵐さんからの着信が入る。
駆け寄ってくるさくらを私は止めた。
そして、口に人差し指を当てて静かにと言った。
なにやら「エモい…」と言われたが
きっとそれどころじゃない。重要な電話のはずだ。
五十嵐≪どうした、郡司。こんなとこに呼び出して≫
郡司≪証拠と覚悟を見せに来ました。相良文香さんと藤枝Aさんの戸籍謄本です。
彼女らの母親である妙子さんは、あなたの元妻だった。
そして文香さんとAさんは、あなたの実の娘だ≫
『え……?』
自分も知らない事実に声を漏らすと先生が私の口を掌で塞いだ。
郡司≪あなたは、彼女の復讐のために武智大和を追い込んだ。藤枝Aさんに関してもそう、幸せに暮らすはずだった自分の娘2人を陥れた武智への復讐≫
五十嵐≪文香とAにそのことを言ったのか?≫
すいません、五十嵐さん。
私は聞いてます……。
あとで、説明してもらわなきゃ…。
郡司≪いいえ、彼女は相楽孝彦を本当の父親だと思っています。同時に藤枝Aさんも、藤枝友輔を本当の父親だと思っています≫
五十嵐≪そうか…俺と柊をつなげる証拠は?≫
郡司≪あなたの拳銃ですよ。柊一颯が持ってるんでしょ?
でも解せないんですよ。どうして柊は武智の前で文香さんのことを口にしなかったのか。
あなただって、これまで何度も武智と会ってきたはずだ。
なのに、そんな素振りは、おくびにも出さなかった≫
五十嵐≪俺も柊も復習が目的じゃない。俺たちの相手は別にいる≫
郡司≪藤枝Aの目的もですか?≫
五十嵐≪きっとあいつもそうだ。詳しい目的は自分で聞け≫
五十嵐さんが……私の実の父親?
でも、私は生まれた時からあの家に……
"A、ごめんね"
誰?……私は文香さんを見たことがある?
今、脳裏に浮かんだ女の人も……
郡司≪槇原丈一郎ですか。教育委員会も操れる教育界のドン≫
五十嵐≪その程度の相手なら犯罪に加担したりしねぇよ≫
郡司≪だったら!いったい誰と戦おうとしてるんですか?≫
本城≪五十嵐、選手交代だ。お前と柊一颯の関係を宮城君から聞いた。見損なったぞ。連れていけ≫
五十嵐≪何が真実か、自分の目で確かめろ≫
そこで通話は終わった。
『先生、私っていったい何者なの』
柊「準備室で話そう」
茅野「A、行こう」
私たち3人は準備室に入った。
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唯颯(プロフ) - ハナさん» 大丈夫です (2021年1月13日 4時) (レス) id: f647fc3f6b (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 質問大丈夫ですか? (2021年1月10日 21時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
唯颯(プロフ) - スライムさん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年1月28日 23時) (レス) id: a45fde35bc (このIDを非表示/違反報告)
スライム(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください (2020年1月28日 23時) (レス) id: 028b55ef6b (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - 楽しみです!!!\(//∇//)\ (2020年1月28日 22時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唯颯 | 作成日時:2020年1月20日 23時