【3年A組】Espoir 2 - 卒業 - (ページ14)

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063話 - 3月6日 - ページ14

翌朝。

私はさくらの席でボケーっとしながらPCでガルムフェニックスの動画を生徒たちとみる先生を眺めていた。

一緒にガルムフェニックスを見たいところだが、生憎腰が痛い。

腰に関しては昨日のアレが原因だと思うけど、

このたまに息の詰まる感じは……ダメなやつですね

茅野「大丈夫？呼吸浅いときあるけど……」

『あ、あぁ…大丈夫だよ。ありがとうさくら』

茅野「それにしても眠そうだねぇ」

『んー、眠い。最近すごく眠いんだよね』

自分でもわかる。てか、自分の体だからこそ分かる。

癌は進行していて、転移してる。

眠いのももしかしたら……なんてね。

痛みに関しては先生の薬ちょびっともらってるからギリギリいけるけど。

きついものあるかな……。

柊「そろそろ席に着こうか！…はい起立。今日も俺の授業を始める、礼…着席

今朝、これをSNSに投稿したのは誰た」

楽しく話していたのとは一変、真剣というか怒ってる一颯先生。

すると後ろで結城さんがすっと手を挙げた。

柊「結城…指示を出すまではSNSに投稿するなと言ったはずだ」

結城「でも、すっごいフォロワー増えました」

柊「そういう問題じゃない」

結城「すいません」

先生は眼鏡をはずすと声高らかに「さぁ、盛り上がっていこうかぁ！！」と笑顔になる。

信じろ信じるなゲーム……。

そして、誰かに電話をかけた。

柊「おはようございまーす！他の先生にも聞こえるようにしてもらえますかぁ？
みなさん、先日はいきなりのカミングアウトに驚かれたことと思いますー」

坪井≪お前何考えてんだ！あんなデマ流しやがって！≫

柊「デマなんかじゃありませんよ。あなたたちの中に景山澪奈のフェイク動画をベルムズに依頼した犯人がいます。
添付された顧客リストの画像もご覧になったはずですよー」

武智≪あんなもの信じるわけないでしょ！≫

『耳障り』

私が武智の声に悪態つくと横に居る瀬尾君がチラッとこちらを見る。

あ、そういえば武智に推薦もらったんだっけ。

佐久間≪そうですよ！我々の中に犯人がいるわけないじゃないですか！≫

柊「はっはっはっ、僕もそう思いたかったですよ。そこで今日は皆さんに課題を与えたいと思いまーす！
景山澪奈のフェイク動画をベルムズに依頼したhunterは今夜8時までに名乗り出てください。名乗り出なかった場合、教室を爆破します」

先生の発言に教室中が耳を疑った。