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❦ JM side ❦
「ヌナ！！」
『わ、ジミン君！』
お店から出てきたヌナを一目散に抱きしめる。ヌナの腕で光るさっきまではなかった腕時計と、静かに目元を抑えて俯くナムジュニヒョンを見ると心が痛む。でも今日は俺たちみんな自由になると決めてるから。折角こうしてヌナも俺たちをあだ名じゃなく名前で呼んでくれる機会が増えたんだから。今日だけ、わずかな時間だけ皆ライバル。俺も本気を出すんだ。
「ヌナ、ご飯は今済ませたんだよね？ついてきてほしい所があるんだけど…」
『どこだろう、楽しみ』
そう言って微笑んだヌナに俺も笑い返して手をぎゅっと握って歩き出す。一瞬強張ってたけど少しするときゅって握り返してくれた。ナムジュニヒョンのことだからヌナに何か話してくれたんだろう。
「じゃーん！ここです！」
『うわぁ…綺麗…』
俺がヌナとのわずかな時間でのデートに選んだのは広い湖とそこに浮かぶスワンボート。正直この年でって恥ずかしさも多少あるけど、だからこそ他のメンバーは避けるはずだからあえてここにした。
光が反射してキラキラと輝く水面。それを映し出すヌナの瞳もキラキラしてて、吸い込まれそうになりながらしばらくその横顔を見つめた。
「…ボートも、乗る？」
『いいの！？』
「勿論！乗ろう！」
引かれなくてよかった、って安心しながらヌナの手を引いてボートに乗り込む。
『私こういうの初めてで…これを漕ぐの？』
「そう！でも俺がこぐよ」
『私も漕ぎたい！』
「ふはっ、うん一緒にこごっか」
さっきまでのキラキラとは違って今度は子供みたいにキラキラした瞳に思わずクスクスと笑いが零れる。ヌナの漕ぐスピードに合わせて漕ぎながら湖の真ん中にたどり着いたところで一緒に漕ぐのを止める。
『屋内施設なのに湖があるってすごいね！』
「湖自体は人工的だけど、この水は○○の水を引いてきてるんだって」
『えー！凄い…』
ずっとニコニコ笑ってパシャパシャと水に手を伸ばして遊ぶ姿はいつもにヌナとは一味違くて、そのギャップに心臓がきゅって締め付けられる。初めてヌナに会ったときみたいに、いつもより早く鼓動する心臓。もしかしたらこの音がヌナに聞こえるんじゃないかって心配になるくらいだ。
『…全然コンジュじゃないでしょ？』
「えっ？」
『みんな私をコンジュって呼ぶけど、本当はそんなことないの』
ヌナの透き通る声は、ゆっくりと俺の耳に届いていく。
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流空星(プロフ) - ゆきりんさん» ゆきりん様 コメントありがとうございます！今のところ続編は考えていなかったのですが折角お言葉を頂けたので考えてみますね！ (2021年1月26日 21時) (
レス) id: 6dd67c091f (このIDを非表示/違反報告)
ゆきりん - 続編楽しみにしております！！ (2021年1月26日 1時) (レス) id: 14affb9ac3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流空星 | 作成日時：2019年7月17日 14時
