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❦ YG side ❦
俺の入る隙なんて初めからなかった。
ヌナの話を聞いて一番最初に思った事はソレだった。芽吹き、そして俺が芽吹いたモノの正体に気付いて目を向けようとした矢先に突きつけられた現実。話の衝撃も勿論、現実にも衝撃を受けて俺は何も言えなかった。
JN「ヒョジンもこれから事務所に入るし、Aには少しでも…出来る治療をして欲しい。根本的な治療は無くても、このまま流れに任せて欲しくない。それには主にヒョジンの事を俺たちで観れる限りで見てあげたくて…取り敢えず先に3人に知って欲しかったんだ」
ジンヒョンの言葉も、耳には入ってくるけど上手く脳内迄は届かなくて。何処か自分が此処に居る様で居ないような不思議な感覚の中で、黙っていた。
『ごめんねユンギ君。一番戸惑うよね？』
「あ、いや……大丈夫」
この優しさが、暖かくて苦しい。でもこんなに胸が締め付けられるような苦しさの中にですら今まで感じたことのない愛おしさも同時に感じて。そしてまた決壊したダムの如く脳内に溢れるメロディと歌詞。苦しくて、仕方ない。
JH「俺に出来る事はなんでもするよ」
RM「当然だよ大切なヌナなんだから。ね、ユンギヒョン？」
「ああ…そうだな」
JN「有難う、弟達にもタイミング見て話すつもりだからその時は宜しく」
『本当に有難う、みんな…』
そう頭をテーブルに着きそうなくらい下げたヌナの、『生きたい』という声としては発しられない言葉。
味わった絶望や挫折を俺が曲に込めるように、その無言の言葉にヌナの全てが詰まっているのかもしれない。そう思ってしまえば、俺から出る言葉は決まってしまう。
「ヌナ、生きよう。俺達と」
『ユンギ君……』
「大人の男が7人も居る。怖い事なんて何もない」
『本当にっ…ッ、ありが、と…っ、』
何度も有難うと呟き、絶えずに涙をテーブルへ落としていくヌナの髪を撫でて俺は何度も頷いた。声にしなくても伝わってるであろう、俺達の「大丈夫」の言葉。
きっとヌナは薔薇のような人だと思われていたんだろう。誰もが足を止める綺麗に咲き誇る薔薇。それでも近付き過ぎてしまうと棘が刺さってしまいそうで、直ぐに花弁を地へ落としてしまいそうで、触れられる距離にあっても絶対触れられない、触れてはいけない…そんな美しくて儚い薔薇。
少しずつ、実は蕾のままのその
触れて大切に抱きしめて包みたい。
心から、そう願った。
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流空星(プロフ) - ゆきりんさん» ゆきりん様 コメントありがとうございます！今のところ続編は考えていなかったのですが折角お言葉を頂けたので考えてみますね！ (2021年1月26日 21時) (
レス) id: 6dd67c091f (このIDを非表示/違反報告)
ゆきりん - 続編楽しみにしております！！ (2021年1月26日 1時) (レス) id: 14affb9ac3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流空星 | 作成日時：2019年7月17日 14時
