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誰にも話せなくて甘えられなくて、もがいてもどうしようもなくて。こんな華奢な小さな体でどれだけの傷と苦痛を味わって。それなのに俺は“その時”しか見れていなかった。ただただヌナが好きで幸せで、ヌナの苦しみを和らげるどころかきっと深めさせてた。
「ヌナ、こんな事今更かもしれないけど俺はずっとヌナの傍にいるし味方だよ。ヒョジンの事だって守るよ」
『でもっ…』
「でもじゃない！ヒョジンが俺と同じ事務所に入ればヒョジンと俺たちが一緒にいても誰も何も言わないよ、できる限りヒョジンの事もヌナのカフェだって俺たちがなんとかする。だからヌナ…しっかり治療を受けてよ」
俺の言葉を聞きながらヌナは『でも…』と口ごもる。
「もう何も諦めないでほしい。もう、自分で何もかも背負おうとしたりしないでほしい。もうこれ以上…生きることを諦めないでAヌナ」
『気づいてたの？』
「当たり前だよ」
気づいてたよ。
ヌナはいつも「終わり」を見てるって。自分がこの世界からいなくなってしまっても誰も困らないようにって動いてた。自分が世界から消えても悲しむ人が少ないように一人の道を選んできた。一定の場所からその先へは進ませない分厚くて高い壁。当たり障りなく、争いを避けて、人のいないほういないほうに進んできた。
そして何よりもヒョジン。
自分が消えてしまってもヒョジンがしっかりと生きられるように。
ヒョジンを預けてたのはお店の準備って言ってたのは後付けの理由で、本当は自分が居なくても平気なように。
「ヌナ、もう甘えていいんだよ」
『ジニ君…ありがとう…』
ねえ、ヌナ。
ヌナは凄くきれいで可愛い。
みんなヌナを女神とか姫って呼ぶよね。
だけどヌナは「Aヌナ」だよ。
もう、仮面何てつけなくていいし自分らしく生きていいんだよ。
笑いたいときにお腹を抱えて笑って、泣きたいときは顔がぐちゃぐちゃになるくらい泣いて。
偶にはこうやって誰かに飛び切り甘えて。
「ちゃんと一緒に一つ一つ考えよう」
もう一人にはしないから。
ずっとヌナの傍でヌナの味方でいるから。
絶対に守って見せるから。
だからAヌナ、お願いだから…――――
「もう、二度と何も諦めないで一緒に生きよう」
『…ありがとうっ…私、生きたい。生きたいよ」
終わりを見続けていたヌナの「生きたい」は今まで誰から聞いたそれらよりも、美しく強くて。
そして、儚かった。
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流空星(プロフ) - ゆきりんさん» ゆきりん様 コメントありがとうございます！今のところ続編は考えていなかったのですが折角お言葉を頂けたので考えてみますね！ (2021年1月26日 21時) (
レス) id: 6dd67c091f (このIDを非表示/違反報告)
ゆきりん - 続編楽しみにしております！！ (2021年1月26日 1時) (レス) id: 14affb9ac3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流空星 | 作成日時：2019年7月17日 14時
