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❦ JN side ❦
ある日の深夜。俺は一人、皆が寝たのを確認してから宿舎を出て、ヌナが待つbarに向かった。ヌナの知人が経営してるらしく、裏口から入れてもらって個室に通してもらう。
『あ、ジニ君』
「ごめん、待たせちゃった」
『ううん、今来たところだよ』
チラリと手元のグラスを見るとかなり中身が減ってる。今来たところなんて言って俺に気を使ったんだろうけど…相変わらずだなってこっそりと隠れて笑みをこぼした。
「連絡、遅くなってごめん」
『ううん…大丈夫』
数週間前、ヌナが眩暈を起こして俺の目の前で倒れた。本人は大丈夫って笑ってたけど俺にはどうしても大丈夫には見えなかったし、ナムジュンからの数々の俺を刺激する言葉(笑)がどうにも引っかかっていたし、俺も前を向きたいとヌナにやっと連絡ができた。
『遅くなっちゃったけど、全部話すね』
「うん、ゆっくりでいいよ」
『気持ち悪いかもしれないけど…全部、本当なの』
そうして俺は俺と出会う前の事。
俺と付き合っていたころの事。
俺と別れた時の事。
そして今日までの事。
それから…ヌナの病気の事。
全てを知った。
「ヌナ…」
『ごめんなさい、ずっと話せなくて』
当たり前だ。こんな事、軽く話せることじゃない。ましてヌナの性格なら尚更だ。ヌナの話を聞いて、ヌナを守れなかった自分に後悔が募る。きっとヌナはお俺がこんな風に後悔することを懸念してずっと話さないで自分の中に抱えていたんだと思う。
「ヌナ…ヒョジンの父親は…？」
『それは分からないの。このまま調べないでいようと思う』
「どうして？俺が………父親の可能性だってあるのに」
『だからこそだよ。ジニ君が父親だとして、間違いなくジニ君の負担になる。ジニ君はアイドルでしょ？そんなジニ君に子供がいたなんて漏れたら、ジニ君もメンバーさん達もヒョジンだってきっと大変になる。それに父親があの人だったら……きっと私は生きることをやめたくなっちゃう』
「ヌナ…」
『可愛い大切なヒョジンにあんな人の、悪魔の血が混ざってるかもしれないなんて嫌なの。罪のないヒョジンにその事実も知ってほしくない』
溜まらず、ヌナの手をそっと握り締めると『ごめんね』ってヌナはまた謝って静かに涙を流す。
ヌナは俺と別れてから…いや、俺と付き合ってるときもそれよりずっと前も、何度こうやって涙を流してたんだろう。どこにも行き場のない気持ちを一人で何度流したんだろう。
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流空星(プロフ) - ゆきりんさん» ゆきりん様 コメントありがとうございます！今のところ続編は考えていなかったのですが折角お言葉を頂けたので考えてみますね！ (2021年1月26日 21時) (
レス) id: 6dd67c091f (このIDを非表示/違反報告)
ゆきりん - 続編楽しみにしております！！ (2021年1月26日 1時) (レス) id: 14affb9ac3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流空星 | 作成日時：2019年7月17日 14時
