【暗殺教室】檻の中の景色【潮田渚】

story*19 ページ21

‐潮田side‐


「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
潮田「落ち着いてよ、A」


呪文のようにAは「ごめんなさい」を連呼する。

その姿は本当に昔のAで、膝から崩れ落ちる。



潮田「うそ……また振り出し……？」


待ってよ。折角歩けるようになったんだよ？
外に出れるようになったんだよ？


なんで今更……



潮田「許せない、よくもAを」



あいつらがAを。


本当に小さいときはよく笑っていた優しい女の子だったA。



「やめっ……ごめんなさい…いい子になるからぁ……」
潮田「大丈夫だから。僕がAの味方だから」



Aは頭を包むように耳を塞いで、



「私には！味方なんて居ないの！！渚だって私を迷惑がってるんでしょ！！？」
潮田「違うよ！僕はそんなこと思ってない！」


Aは光のない目で涙を流しながら叫ぶ。

待って、折角信用をしてもらったのに…
またその目を見ないといけないの？



潮田「僕はAの味方だ！お願いだよ！信じて！」
「うそ！！」
潮田「嘘じゃない！！」



聞いたことあるんだ。

Aの精神状態は時に思ってもない事を口にするって。


僕は今傷付いちゃいけないんだ。
それよりAの傷を癒さないといけない。


潮田「殺せんせー…！！どうしよう！これじゃ前のAに戻っちゃうよ！」
殺せんせー「わかっています。今のAさんは混乱しているだけです。渚くんへの言葉は全て嘘ですから、安心してください」


僕はAに嫌われる覚悟でAを抱き締めた。

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