あおいろひまわり【nino×in】 (ページ11)

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眩しくて目を開けると、そこは辺り一面真っ白の世界。

どこを見ても真っ白で、なんだか体も軽くなったような。

だってほら、雲の上みたいにフワフワしててちょっと走りにくいけど…、ちょっと、フラフラするけど…、こんなに走り回れる！

久しぶりだなぁ、お腹も空いてないのなんて。

しばらく走っていると、見覚えのある、猫背が見えた。

「ご主人様！！！！」

気づいてもらいたくて、一生懸命叫ぶ。

僕の声に振り向いたその人はやっぱりご主人様だった。

「ケイ！」

おいで、って手を広げたご主人様に飛び込む。

「おーまえ、どこ行ってたんだよ！ケイのために飯買ったのに、お前いなくちゃ意味ねーじゃん！」

少し乱暴に頭を撫でる手。そうそう、この丸っこい手が大好きなんだ。

久しぶりに見たご主人様に擦り寄って、ご主人様もそれを受け止めて。

どこ行ってたの、なんてこっちが言いたいよ！って思いを込めて頬を舐める。

「ははは、くすぐったいって！！」

そう笑うご主人様はいつも通りだった。

あの女の人は僕に嘘をついたんだ。

ご主人様はちゃんとここにいるのに。

「ご主人様、……大好き」

するとご主人様はふっと笑って。

「ケイ、、…うん、大好き…」

どこから飛んできたのか、シャボン玉がふたつ、パチンと弾けた。

サヨナラじゃないよね？
また、会えるから___