&JOYHOLIC (ページ38)

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Astory

母「さっきの人帰して良かったの？いい男…」

『お母さんまで…』

ガラガラと玄関が開いた

母「お父さん！？」

父「回復早いみたいだから退院した」

『大丈夫なの？』

父「Aは何してんだ？」

『え？』

父「何しに帰ってきた？お前に手伝えることなんて何もないよ」

母「お父さん…」

こうなると

何も言えなくなってしまうのが私

父「農家手伝おうとか思ってんのか？」

『今…無理って言ったじゃん』

父「なら東京戻れ」

『は？』

父「俺が嫌で逃げて、証券会社嫌で逃げて、派遣嫌で逃げて…ずーっと逃げんのか？帰ってきました…はいそうですか？って俺はならねぇよ」

『……出てけばいいの？』

父「出てけ」

母「ちょっと2人とも…」

部屋に戻って

キャリーに再び荷物を詰める

母「A…」

『ごめん…大きな荷物はさすがにすぐには持ってけないから住む所決まったら送って貰っていい？着払いでいいから』

母「お父さん…嫌われ役でいいってずっと言ってたけど…Aのことちゃんと心配してるの」

『どこが…』

母「いずれ分かるわよ」

その日の夜遅く…

私は実家を出た

『はぁ…』

早朝に着いたのは

剛「Aちゃん？！」

勇人「大丈夫かお前！」

キャンプ場だった…

勇人「そっか…」

剛「お疲れさん」

2人は多くを聞かなかった

剛「コーヒー飲みな？」

2人の優しさに

思わず泣き出してしまった

剛「一気に色んな感情も経験もして…パンクしちゃったねAちゃん」

勇人「飯食った？ラーメン食うか？」

結局私が泣き止むまで

2人はずっと背中をさすってくれた

勇人「椅子持ってこなくてもお前のキャンプ道具はまんまあるから大丈夫だよ」

剛「全部出しちゃいな？」