&JOYHOLIC (ページ36)

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Astory

『盲腸…』

母「大したことないって言ったのに…わざわざ引っ越さなくても…」

東京を離れるまでの1週間

バタバタだったけど

私は実家に戻ってきた

『お母さん出雲湯行ってくる』

近くの銭湯に行くことにした

慌しかたった1週間の中で

たまたま営業周りの向井さんに会って

部長に借りていた本を返してもらおうとしたら…

好きだなんて言われた…

今までそんな経験もなくて

ごめんなさいとしか返せなかった…

サウナでぼーっとしていたら

熱くて何も考えられない

ちょうど良かったかもしれない

そう思うことにしたい

「佐藤さんとこの！帰ってきてたんだ！お父さん大丈夫かい？」

「すっかり綺麗になって」

『あ…お久しぶりです』

こっちに帰ってきたから

こうゆうやり取りも毎日になるのかな…

自販機で水を買って涼んでたら

「兄ちゃんいい体だな」

「ここらで見ない顔だね」

『……えっ？』

照「え？」

目の前に

岩本部長が居る…

照「何してんの…」

『いや…部長こそ…』

照「さっき新幹線で…」

『え…何しにですか？』

照「……っと」

「え？まさかAちゃんの彼氏か？」

「バカお前！(名前ちゃん)うちのと同い年だろ？旦那さんだよ」

『違う違う…この人は辞めた会社の部長さん』

もうほぼ全員が知り合い

次から次に集まってくる…

両親世代のご近所さん

「辞めた会社の部長さんがなんで？」

照「あ…いや…」

「こんな農家だらけの町に来るか？」

『あの…』

岩本部長の手を取って

銭湯を出た