&JOYHOLIC (ページ16)

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Astory

「もう少し…長く働けない？」

『そうですよね…』

「紹介できるところも限られてるから…」

分かってる…

分かってはいるんだけど…

人間関係を作らない

を第一に考えていたから…

『はぁ…』

なんかどっと疲れた…

喫茶店に入って

コーヒーを注文しようとしたら

村上「あれ…財布…スマホ…」

レジ前で荷物を探る

村上くんが居た

村上「どうしよ…」

『PayPay使えますか？』

店員「はい」

村上くんの分のコーヒーを支払った

村上「佐藤さん！あの後来なくなったから…」

『派遣だからね…』

村上「貴重品ロッカーに置き忘れちゃって…お金ちゃんと返します！」

『いいよ。これぐらい…』

村上「この後バイトなんで着いてきてくれません？」

『いや…大丈夫だから…あ…待って待って』

足の長さどうなってんの…

普通に歩いてるつもりだろうけど

駆け足の私と

普通に歩く村上くん

村上「ロビーに居てくれますか？」

『はぁ…はぁ…分かった…』

つい最近まで派遣で来ていた会社

そのロビーで座っている私…

まぁ誰も気付かないだろうけど…

照「佐藤さん？」

『あ…』

見上げた先に

村上くんと並んで

岩本部長が歩いてきた

村上「佐藤さーん！待たせてごめんなさい！これ！ありがとうございました！」

『あ…うん。大丈夫」

照「お金借りたの佐藤さんだったのか」

『別に返さなくていいって言ったんですけど…』

照「ねー俺いつも奢ってんだけど(笑)」

剛さんが「照くん可愛い」って

言った理由が少しだけ分かる

村上くんと話す岩本部長は

目がくしゃくしゃ…

『あの…私はこれで…』

照「ありがとね」

村上「ねぇ！また会える？佐藤さん！」

『えっと…』

照「困ってるから…掃除行けほら」

岩本部長にうながされて

村上くんは去っていった