初めての恋していいですか？ (ページ25)

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照side

彼女の顔を自分の胸に押し当てながら

俺は力いっぱい抱きしめる。

過呼吸を起こしそうになりながら…

父親への懺悔、母親への懺悔を

泣き叫ぶAは

ずっと1人で戦い続けていたんだろう…

『親父さんはお前のせいで死んだんじゃない』

『父親としてお前に精一杯の愛情をくれた』

『お前は1人じゃない』

『はるかちゃんが居る！ふっかが居る！だてさんも小夜ばぁも！向井も居る！』

『何より…俺が1番そばに居る！』

口々に彼女に訴えかける。

A『…さ…んっ！岩…本さん…っ…苦しいぃい』

『え？』

A『潰れる……っ！！』

力いっぱい抱きしめた俺は

危うく彼女の肋骨を折るところだった。

『ごめん！』

体を離すと彼女は…

砂浜にどさっと座り込んだ。

今度はそっと抱きしめる。

『帰ろうか…A』

10月半ばと言っても日が落ちると

潮風が冷たく感じる。

車に戻り

後部座席に置いてあった

ウインドブレーカーをかけてあげたら

A『暖かいと眠たくなっちゃう…』

『いいよ(笑)着いたら起こす』

A『小夜おばあちゃんとこ行きません？』

『いいな！行こう！腹減ったしな…まぁ着くまでAは寝て』

A『じゃあお言葉に甘えて…』

すぐに静かな寝息をたてて

眠ってしまったA

俺が1番に守りたい…

『好きだよ…A』

聞こえてないだろうけど…