初めての恋していいですか？ (ページ24)

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十字架ページ24

Aside

やらかした…

完全にやらかした…

寝不足だったとは言え…

せっかく時間を合わせてくれたのに

あろう事か私は…

岩本さんの隣で寝てしまった。

照『まだ少しかかるし寝てていいよ？』

『絶対に寝ません！！』

照『よだれたれてんぞ(笑)』

ばっ！と口元を触る。

照『はっはっは！！冗談だよバーカ(笑)』

岩本さんって…こんなに

くしゃって笑うんだ。

抱き寄せられた時と同じで

少しだけ心臓がうるさくなる。

照『お前寝る時何着てる？』

『え？高校の時のジャージとか…Tシャツとか…』

照『あーそれもあるな。俺も前までトレーニングウェアで寝てたんだけど…副交感神経に良くないみたいで。もう何もできませんって意味で、最近はパジャマで寝るようにしてる』

『へぇ～』

照『もう見えてきてるよ』

左側を見ると

太陽の光でキラキラした海が見えてきた。

『綺麗～！！』

照『向井の写真も綺麗だけど…生で見たらやっぱ感動するな！』

到着して車を停めて砂浜に降りた。

まぶしい海

心地よい風

夕陽に何だか涙が出てきた。

照『大丈夫か？』

『いや…ちょっと…父のことを思い出して…ちょうど…今ぐらいの時期でした』

高校最後のインターハイ

思ったような結果を出せず

ひたすら自暴自棄になっていた私

出掛けないかと言われて

父の車に乗り込んだ

朝焼けが綺麗な海に連れてってくれた。

その日の夜…

夜勤に向かった父が亡くなった。

脇見運転の車にはねられて

即死だった…

霊安室に居る父と対面した時…

私がもっとしっかりしていたら…

お父さんは死なないでよかったんじゃないか…

そう思って涙が止まらなかった………

『お母さん…っ…1人になるから…大変だから…なのに私…倒れて…っ…私のせいで……ひっ…っ…お父さん…』

涙がどんどん溢れてくる。

息が上手く吸えなくなる。

照『喋んな…』

私は岩本さんに力いっぱい

抱きしめられた。