all or nothing…

自覚 ページ21

あっと言う間にマンションに着いた


「ニノ、ありがと…」


ヘルメットを渡す


「いいえ。どーいたしまして」


口角を少しあげて笑うニノ


「そう言えば…なんでニノはうちに来たの？」


ふと.…疑問に思って聞いてみた
まだ、学校だって終わる時間でもなかったし


「あぁ〜っ！忘れてたわ。
うちの姫がねっ。急に学校休んで
メールや電話何度しても無視するんでね」


あっ！…そう言えば…


「…あっ‥ごめんなさい」


「自覚はあんのね？
まぁねっ。Aのことなんで
気にしてんじゃないかって、思ってさ」


ニノに心配かけちゃった
まさか昨日泣き過ぎて目が腫れちゃった
とは言えるはずもなく…


「…気にしてないって言うか…
自覚したって言うか…」


「自覚？何、自覚しちゃったのよ？」


昨日の事を思い出すと苦しくなって
目に涙がたまってきた

でも、泣かないように唇をギュッと噛んだ


フワッと包まれる身体…


「ニノ…私‥智くんが…でも、
あんな綺麗な人‥居たから…私じゃ…」


「うん。知ってる。
あの人は関係ないって言ってやったでしょ
やっぱり、そんな風にとったのね？
ほんと、うちの姫は‥大野さん見てたら
わかんでしょうよ？」


どう言うこと？


「智くんは…私の事、妹ぐらいにしか
思ってない、よ…」


ニノを見上げると


「おバカさんだねぇ〜姫は…
そう言うことは大野さんに直接聞きなさいよ
明日は来るんでしょ？学校？
Jも心配してんだからちゃんと来なさいよ」


涙を拭ってくれた


「…うん。わかった」


ニッと笑ってニノは帰って行った

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