はるか様は落ち着かせたい ページ4
ついに星章学園との試合の日がやってきた。皆緊張した足取りで、会場へと向かう。
前世と合わせれば3回目で、慣れたはずなのに何もかもが前とは全く違う雰囲気に包まれていた。
何か異質なものを感じるような･･･気のせいだろうか。
それよりも気にするべきはメンバーか。過度な緊張でほとんどが正常な状態ではない。
確かに勝たなければ絶望的な状況なのは重々承知しているが、ここまでなるとは。
『１回落ち着いた方がいい。あまり気を張りすぎると余計ダメになる』
すー、はー、と深呼吸を促し、ゆっくりと思考を楽にする。
それでも緊張はなくならないかもしれないが、大分マシになったみたいだ。
･･･よし、大丈夫だな。
いつも通りの表情になり、皆がストレッチを始めたのを確認し、ベンチへ向かう。
『すみませんつくしさん。手伝います』
「あ、はるか君！大丈夫だよ、ありがとうねっ」
つくしさんは最後の準備まで出来ていて、いつも仕事が早いな、と尊敬してしまう。
しかし申し訳ない･･･仕事を全部1人でやらせてしまった。
すると、つくしさんはニッコリと笑いながら言った。
「気にしなくても大丈夫だよ〜！むしろ皆が不安そうにしてたの、元に戻してくれてありがと！」
「だからこれでおあいこね！」と照れたように笑顔を向けられ、不覚にも可愛いと思ってしまった。
「あの〜イチャイチャしてるとこ悪いですけど、試合始まりますよ〜〜」
瞬間、急に割り込んだ声によってはっ、と現実に戻される。
見ると、ニヤニヤとした監督の顔。
「い、イチャイチャなんてしてません！」
真っ赤な顔で反論するつくしさん。監督は本当に下世話だ。
この監督･･･趙金雲は少し警戒している人物だ。
何もかもが怪しい。
練習メニューから何から頭が切れるようだ。
どういう人物なのか。
･･･調べる必要がありそうだな
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：檸檬けーき。 | 作成日時：2019年9月28日 15時
