とある美少年

番外編「馬場さんに片思い」 ページ20

私は、幸永綾央(よしなが りょーま)って言います。男みたいな名前だけど、見た目はちゃんと女の子です！

私はテニスの王子様が好きで、原作からの大ファンなので、ちょっとした好奇心でミュージカルを受けることになったのですが･･･

半ば勢いみたいなもんなんで、緊張気味！！
当日、朝もドッキドキで吐きそうでした←


そんなわけで、無事受かりましたが･･･入った後もある意味緊張する出来事が起こったのです･･･！





「おはようございますー」

ドッキドキしながら楽屋のドアを開けると、共演するキャストさんがいたので挨拶。

名前は中河内雅貴さん。
立海キャストの1人だ。


「おはよ！新しいキャストの子か、よろしく笑」

仁王役の人で、結構気さくだったので話しやすかった。
多分コミュ力高いんだと思う。人見知りの私でも、普通に話せたぐらいだから。



「綾央でりょーまって言うんか〜変わってるね」

「よく言われますw」

改めて自己紹介すると、名前に驚かれた。

私の苗字は、幸村の｢幸｣、そして幸村の中の人である永山幸子さんの｢永｣、そして名前の由来は越前リョーマのりょーま。

さすがにリョーマだと男の子っぽいらしく、当て字にしたんだと母が言っていた。

とにかく、私のフルネーム全部に、テニスの王子様要素が入っているので、名前に多少問題はあれど私は気に入っている。


「でも、いい名前だと思う。」

そう言って、中河内さんは優しく笑った。
素直に嬉しかった。この名前でからかわれることはよくあったから。



そのまま軽く会話していて、笑っているとしばらくして、

足音がして頭のすぐ上で、声がした。




「おはようございます」

瞬間、私の中で心臓が止まるほどの衝撃が走った。


「お、きたか！w」



その人は優しくて、ちょっと変わってるけど面白くて、

芝居に対する情熱を持っている人。


立海キャストといえば、絶対この人がいる。
私がこのミュージカルに出ようと思ったのも、この人がきっかけだった。



だからいずれかは会うと覚悟はしていたけれど･･･緊張気味と驚きすぎて言葉が出なかった。

けど体は反応したのか、私は反射的に声のした方に振り向いた。




私の予想通り、声の主は立海キャストの1人である、柳生比呂士役の馬場徹さんだった。

私は生で見たのは初めてで、刺激が強すぎた。

｢緊張｣→←時が経つのは早い

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