目が覚めても夢の中だった2 (ページ26)

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おつまみを作ってお酒も程よく進んで、私はベロベロに酔っていた。

HC｢A、飲みすぎ。もうやめろ。｣

頭がフワフワしてても心地良い声が聞こえ、手からビール缶を剥がされる。

『ぃやあだ！もっと飲む！！』

HC｢いやじゃなくて、もう終わり！これ以上飲むとやばいから！｣

ビール缶を奪いあっていたら足を滑らせてしまい、ドンヒョクに被さってしまった。

『いたた…あれ、痛くない』

HC｢俺の方が痛えよ！それより、怪我ないか？｣

ドンヒョクが素早く受け止めてくれたおかげで無傷だった。

ドンヒョクの顔が真正面のドアップで三白眼の瞳に私の顔が映る。

あれ、ドンヒョクって、こんなにかっこよかったっけ？

HC｢はぁ…ほんと、カンベンしてくれよ…全部声に出てるんだけど？｣

無意識に思ってたことが声に出てたらしい。

そのまま正面からぎゅうっと抱きしめられた。

『ドンヒョク、なんでいつも私の事をからかってたの…？なんで今はこんなに優しいの…？』

お酒の力って怖い。今まで聞けなかったことをスラスラと言ってしまう。

HC｢…｣

『就活が終わってさ、合コンに誘われて行ったの。かっこいい人もいたし、賢い人もいた。私になんとなく好意を持ってくれている人もいた。でも、どうしてもドンヒョクと比べてしまうの。あんなに嫌いだったのに…ずっと私の恋を邪魔してくる、からかってくるドンヒョクが嫌だったのに…』

HC｢…俺は、さ、ずっと高校生の時からAのことが好きだった。初めて話した時、ぎこちなく目線を合してくれた時、運命かなって思った。お前との未来が見えてさ、将来ともにするだろうなって勝手に想像してさ…実際に見たAは性格もいいし、スタイルもいいし、おまけに陰でめっちゃモテるし…だから、どうしても俺のものにしたかった。でも、遠ざけられてから俺は嫌われたんだなって。同窓会も来なかったから、終わったなって思った。でも、ファッションは好きって言ってたから、ファッション系の会社に行けばお前に会えると思って…。俺の気持ちはずっと高校生の時から好きっていう気持ちは変わんないんだけど、Aは、俺のことどう思ってる？｣

『私もそんなドンヒョクのことがいつの間にか好きになってたみたい…。いや、好きだったけど、気づいていなかったのかも…』

素直に自分に正直になると、胸につっかかったものがスっと落ちた気がした。