はるとたく。2 (( 彼女の悪いところは何一つ悪くない編 )) (ページ38)

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( あいのうた ) ページ38

中島 side

「もしもし、」

( あ、中島さんですか？ )

「はい、そうです。」

( 1週間、経ちましたけど、どうされます？)

「……Aと、別れる気はないけん。」

( ほう、彼女の職を奪ってもいい、と)

「うん、好きにして。」

(っ、いいのね？！

あなたの手で夢を壊すことになるのよ？！)

「ん、よかよ。

夢を自分で叶えようともせんやつに、

血の滲むような努力をしてきたやつの夢が壊せると？」

( っ、うるさいっ！)

「お前には分からんやろうね。

自分を信じて毎日戦う人の気持ちなんて。」

自分のことを信じてやれない、かわいそうなやつ。

( そんな余裕かましてられるの、今だけよ。

見てなさい。自分の手の中で輝きを失っていく彼女の姿を )

「負け惜しみはおしまい？

もう、電話切っていいと？」

ぶち、という音とともに機械音が流れ始める。

負けるわけないっちゃろ、

どんだけ、あいつが努力してきたと思っとるん？

何としても、俺が守り抜く。