( 俺だって少しは ) ページ29
谷口 side
「遥輝〜」
「…………」
「卓さんと喧嘩でもしたのかよ、」
「別に、そういうわけちゃうけど、」
「じゃあなに、撮られたこと？」
こいつは、自分じゃないのになに気にしてるん、
「だって、Aちゃん、
……また、絶対我慢してはる、」
語尾に行くにつれて、
だんだん小さな声になる、
「……まぁ、Aちゃんやからな〜」
「卓さん、なにしてるん、」
Aちゃんのこと、傷つけへんって言ったやん、
「……遥輝はさ、Aちゃんのこと好きなの？」
「！！！、」
「Aちゃんのこと、妹っていう対象から外れてない？」
「……俺さ、
3年前、ただ1人、Aちゃんの肩のこと知ってたのに、なにもできへんかった。
声をかけることも、卓さんに話すことも、なにもできひんかった。」
「………」
「そのこと、めっちゃ後悔したし、
俺ができることもっとあったんちゃうかなって思った。
やから、2人が幸せになる道を選んでほしいねん。
もう、Aちゃんには苦しい思いしてほしくないねんな、」
「……やらないで後悔するより、ってか」
「うん、ごめん雄也。
変な心配させた。」
「まぁな、
卓さんと今更、仲悪くなろうが喧嘩しようが、
簡単に戻れるけど、
Aちゃんとだったら、離れてる分、修復は難しいよね、」
「……卓さん、なに考えてはるんやろ、」
「……卓さんは意味もなく、無責任な行動する人やないやろ、
遥輝が1番わかってるやん。」
「……………」
「今は、卓さんのこと信じてやらなあかんのちゃう？」
「……うん、」
「卓さんとAちゃんのこと、1番分かってるのは遥輝やん、」
「うん、」
「………元気出せ、遥輝が落ち込んでどうすんだよ」
「ありがと、雄也。」
「うん笑」
少しは2人の、遥輝の役に立てたかな〜、なんてね、
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作者名：璃央 | 作成日時：2017年8月13日 16時
