はるとたく。2 (( 彼女の悪いところは何一つ悪くない編 )) (ページ2)

今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:426,262 hit

. ページ2

「…確かに、辛いこともあった。

自分の頭の悪さを嘆いたし、何度も

もうやめてしまえばどんなに楽かと思った。

だけど、ずっと私は卓の見る世界が見て見たかった。

チームの中心で、もがきながらも

強く前に進んでいく背中がかっこよかった。

どうしても、いつか、同じところに立って、

一緒に戦いたかった。

………そのためには、私もいつまでも泣いてはいられない、

卓と離れているうちに、私だって強くなったんだよ。

少しだけだけど、」

こんなに、自信ありげに言葉を紡ぐ子やったやろうか。

……努力したとやね、

自分に自信を持てるぐらい、この3年間、がんばったとやね。

「……だから、

卓は後ろを振り向かずに、私のことなんか気にせず

どんどん前に、先に、走って。

この3年間、卓の足手まといにならないように、がんばって来たから。

卓が走り続ける限り、私はどこまでもついていく、」

「……….つよく、なったとやね。」

この子は、俺と離れていた3年間で、

もともと持っていた優しさに、強さも身につけた。

もう、大丈夫だ、俺はこいつと、生きていく。

「でも、もし、Aが泣いちゃった時は、

背中を押してほしい。

側にいて、なんて我儘は言わないから、

置いてくぞ、って私の背中を叩いて、」

「、A、ちょっと待ってて。」