勝利の神様は、彼女に微笑む。2

( 知らないのは卓さんだけ ) ページ8

西川 side



7「…で、Aと何があったんすか？」





9「…………っ、」




7「Aの様子はいつもと変わらずでしたけど…、」




9「………、キスした、」






7「へ？」





9「………」







7「…………、それだけっすか？」





9「は？」





7「男女、幾度も夜を一緒に超えて、それだけっすか？


しかも、寝込みのキスだけ？」




9「…チームメイトやぞ、そんな、」




7「、卓さん、チームメイトと言えども、男と女っすよ、」





9「、じゃあ遥輝はAのこと女として見たことあると…？」









7「…、まぁ、もし俺が卓さんなら間違いなくもう食ってもうてるわ、」





9「は？」





7「………、みんな隠してますけど、


Aのこと好きなやつなんてたくさんいますよ。」





ただ、Aが卓さんしか見てないから、誰も手を出さないだけで。






9「……ぇ、待って、驚きなんやけど、」




7「…………」





9「は？お前もAのこと好きなん？……は！？」





7「………、まぁ覚悟を決める程度には、」


好きやけどさ、しゃーなしやん、



A、卓さんしかみーひんもん。


Aが、もし俺に頼ってくれたら、全てを引き受けるほどの覚悟はあった。




そのもし、がないのは分かってたけど。



翔平だって、雄也だって、Aのこと大好きやん。



でも、大好きな人が大好きな人と幸せになってくれれば、それでいい、


ってみんな思ってるから身を引くことを選んだ。





9「…………、Aは、好きな人、おるとやろうか、」




卓さん、あんたどんだけ鈍感やねん笑



あんな風に笑いかけるのも、

楽しそうにはしゃぐのも、苦しい時に縋ってしまうのも、



Aが卓さんしか目に入ってないからやで。







……面白いから、もうちょっと黙ってようと思ってるけど、




ごめんな、卓さん笑




9 (( は？知らんかったの、俺だけ？ ))



7 (( 困ってる困ってる笑 ))


9 (( 待ってなんでみんな我慢できるん、 ))


7 (( 百面相、 ))


9 (( 手出したの、俺だけやん、 ))


7 ( 卓さん、よくキスだけで済みましたね、 )


9 ( ………、 )


7 ( それだけ、保つのって、絶対卓さんだけっすよ )


9 (( え、みんなキス以上のことしとるってこと？、え？ ))


7 (( 卓さん、かわいいなぁ笑 ))

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