( 君の世界 ) ページ39
一橋 side
『 1番、セカンド A。』
((( ワワアァァァ！！！ )))
『 1番、セカンドA。』
そのコールとともに、
大きな大きな歓声と、小さな背中が打席に向かう。
くるり、とバットをひと回しして、ボールを待つ。
1球目、外外れてボール。
2球目、再び外角落ちてボール。
高校の時鍛え上げた選球眼は、さらに磨きがかかっている。
バッターの心理的には有利になったこのカウントで、
欲を出して、手を出さないのがA。
3球目、インコース脇の下をとられてボール。
今の、こわいなぁ、
8「うわぁ、容赦ねぇな、」
ベンチからもそんな声が聞こえる。
4球目、アウトコースカーブをカット。
カウントはワンスリー。
初回から、しかもこの後は
中島ー西川ー中田、打線にランナーは出したくないだろ。
そのプレッシャーからか、5球目外れてボール。
ノーアウトからファーボールで出塁。
そこからは簡単だった。
中島さんの初球でAがセカンドベースへ。
中島さんが粘った末に、ショートへの内野安打で出塁。
遥輝さんの代名詞、豪快な三塁打で、リードオフした二人は楽々ホームへ。
中島さんとAが、ぱちんと手を叩いて二人そろって遥輝さんに片手を掲げる。
遥輝さんも嬉しそうに笑った。
「ナイス選球、」
96「ありがと！」
よし、とハイタッチすると、中島さんにちょっぴりガン飛ばされたりして……
初回は、そのあと中田さんの犠牲フライで1点を追加したあと、終了した。
「遥輝さん！ナイバッティン！」
7「おお！ありがとう！」
………そうそう、これが、野球だ。
歓喜にあふれたスタンドと、この空気。
活き活きしたあの目、
こんなに恵まれた環境で仕事をさせてもらえることが
ひどく特別なことに思えて、自分を引っ張ってくれたAに、
このチームに、自分の持てる全てを尽くそうと思った。
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kanon136(プロフ) - 言葉があったかくて何回も読み返してしまいます 更新がんばってください！! (2017年11月26日 18時) (
レス) id: af8cb7d239 (このIDを非表示/違反報告)
あずさ(プロフ) - この作品本当に大好きです 胸キュンが止まりません 主人公ちゃん可愛すぎます！ 更新大変だと思いますが応援してますっ！頑張ってください！ (2017年10月16日 22時) (レス) id: 2421f5a56b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃央 | 作成日時：2017年10月10日 0時
