勝利の神様は、彼女に微笑む。2

( 俺だって ) ページ29

大谷 side



11「A！準備できたっ！」



96「はぁい！」




「「いってきます！ 」」






30「いってらっしゃい、」


7「気をつけや〜」


25「早めに帰って来いよ！」


2「俺も行きたいぃぃ〜」


64「拳士さんはうるさいからだめ、」



その他大勢の先輩たちに見送られて球場を出る。




96「……タクシー捕まらん、」



96「先に電話しとけばよかったね…」



11「よしっ、電車で行こっか！」



96「ふふ、たまにはいいね笑」



11「お互い免許持ってないのにね笑


西川タクシーあるから、」


96「うちは中島タクシー笑」



11「A、変装しなくていいの？」


96「……バレるかな？」


11「広島だし、試合終わったばっかりだよ？」



96「でも翔平くん隣にいたら一発じゃない？笑


彼女と誤解されて、撮られるよりいいでしょ、」



11「そうだね笑…あ、きたよ」



96「ん！」



少しだけAより前に立ってリードしてみちゃったり、



好きな子と、2人っきりでご飯だよ？笑



僕だって少しぐらい浮かれちゃうよね、




11「A〜迷子にならないでね、」


96「ふふ、うん、」




ひとつだけ空いていた席にAを座らせて、その前に立つ。




96「翔平くん、足なっが！嫌味かよ！」



11「Aだって短くはないじゃん笑」




96「何食べたらそんなに大きくなるの、」


11「…………白いご飯？」


96「Aも白いご飯いっぱい食べたんだけどなぁ、」



11「いや、Aも同じぐらいでかくなったらそれはそれで怖いよ」


ぽんぼん、と頭を撫でると、にこにこと機嫌良さそうに笑う。



11「……眠い？」


96「ん、ちょっと、」


瞬きがゆっくりになってきて、頭がふらふらするから、


頭をお腹の方に引き寄せると、簡単におちた笑



11「………おつかれさま、」



96「………………」









(( 俺だって、たまには抑えきれないことだってある、 ))




(( ……すきなんだ、どうしようもなく、 ))




(( ただ、僕には君を守りきれないから、 ))

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