Hello,my Baby !!!! -another story- ページ24
「明日は家にいなさい！俺を困らせるな！」
「監督は私よ！明日は大事なリハなのよ！？」
「その身体で行く気か！お前ひとりの身体じゃないだろ！」
俺の言葉に唇をかみしめる姿を見ると
俺の心は激しく揺れる。
でも、心を鬼にしなきゃいけない時だってある。
「……行く！」
「あ、逃げるな！！」
彼女はプイ、と俺に背を向けると
ドスドスとお風呂場へと歩いて行った。
バタン！と強く閉められたドアに、深いため息が漏れる。
「気持ちはわかるけどさ〜……。」
ソファーに身を投げて、目をやるのは
テレビ横に飾られた、俺達２人の結婚式の写真。
「もう１年前か……。」
結婚してから、すでに１年が経っていた。
２年間の交際期間を経て、ＳＪの敏腕天才舞台監督とめでたく
たくさんの人たちに祝福され結婚した俺。
誰もが羨むような結婚生活…ではないかもしれないけど
毎日毎日が幸せで、自分の隣に彼女がいることが
今でも信じられなくなる。
彼女が心配で、愛しているから
たまに閉じ込めたくなる。俺だけの、俺たちだけの巣に。
でも彼女は、それを許さない。
天才監督は、俺達の監督として忙しく働き続ける。
半年前に発覚した、彼女のおなかに宿る小さな存在。
俺は休んでいてほしいのに
今年も監督として、彼女は指揮をとる。
だって、身体だって弱いほうなのに…！
だけど、舞台で輝く彼女は本当に生き生きしてるから。
俺はそれを見ると、強く言えなくなってしまう。
今日の定期検診では、ゆっくり休んでくださいって言われたのに
明日は大事なリハだから行く、と聞かない彼女。
彼女は俺を困らせるけど、俺は強く言えなかったりする。
でも、怖い。
何かあったら…って。
赤ちゃんを失うことよりも、彼女を失うことが最も怖い。
たぶん俺は、立ち直れない。
悶々とそんなことを考えていると
彼女はお風呂からあがってきたようだった。
とっさに寝たふりをして目を閉じる俺のそばにやってきた彼女は
そっと、俺の髪の毛に触れた。
「…ごめんね…ヒョクチェ。
あなたを困らせたくないの…でもね、私もあなた達の心に響くステージを
創りたいの…大事な、大事な舞台でしょう？」
メンバー全員が兵役を終えて。
本当に、全員で行われる今回のツアーは俺たちメンバーにとっても
スタッフさんたちにとっても
大切な、特に気合いの入るステージになる。
それは、俺も、監督も、同じ。同じ、気持ちなんだよな。
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りこ(プロフ) - あーねさん コメ有難うございます！今月中に完結させたいと思ってますので！いつもありがとうございます、これからもどうぞよろしくです（＾＾） (2015年7月16日 13時) (
レス) id: 80f0c9f8dc (このIDを非表示/違反報告)
あーね - いつも楽しみにしています！たくさん更新してください！まってます！ヤキモチとか三角関係とか好きなので。。。笑楽しみにしてます！ (2015年7月11日 19時) (レス) id: 292f4be92e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りこ | 作成日時：2015年7月7日 15時
